鵜飼リハビリテーション病院、CBA普及活動の会議
小林瑞穂主任のリーダーシップのもと、鵜飼リハビリテーション病院のCBA普及活動は進んでいます。2年目以上のPT、OT、STにCBAをつけてもらう。それを、すでにCBA評価技術が自立しているリーダーたちがフィードバックして、スタッフの理解度をチェックしていく、というのが6月現在の課題です。
ある若手PTリーダーのことば。「CBAを知ったことは衝撃だった。感情とか病識だとか、そういうものが高次脳機能だと思っていなかった」PTでも、患者さんに向き合って、その人の認知機能を感じることができていた人の発言だと感じました。「意外としっかりしている人だな」とか「何か違和感があるな」とか、そのように感じたものを、観点を整理して点数化して、可視化する。それを、自分の中の高次脳機能障害をみる視点にしていく。この過程は、臨床家が治療スキルを向上させていくための通り道といえます。それを確実に感じてくれているのがわかります。彼の指導により、スタッフの成長にCBAが役に立ってくれることを期待します。
この日、会議に参加したPT、OT、STのリーダーは、会議終了後、病棟の食堂に戻って、座席についている患者さん1人1人を遠目に見ながら、「あの人は、CBAで○点くらい」「いや、もう少し高いんじゃないかな」と認知談義を続けたそうです。OTのリーダーに確認すると、「いやあ、3人でい~い時間でしたよ」とのこと。
それぞれの中に、高次脳機能障害の重症度をみる視点が養われてきていて、持っている情報をもとにチームで確認しあう。これは、CBAを作成した1つの目的でした。患者さんをみて、CBAの点数が頭に浮かぶようになれば、もうCBAを使いこなしているといえます。自分に力がついてきていることをください。もちろん、何度も繰り返し、議論を行いながら、力に磨きをかける必要がありますが、興味を持って、楽しみながら、力をつけていってください。