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​担当者:森田 秋子・菱川 法和

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CBA日記

 

 

 

 目白大学言語聴覚学科春原則子教授は、長い親友である。ひとり親で3人の子育てに追われていた私の、人生最大のサポーターだった。私たちの出会いは、STとしての初期の短い時間を、同じ職場で過ごしたことだったが、彼女は宇野彰先生を師として失語症研究の先端を走る研究者として育ち、30代が子育で終わった私は、その後教員となり藤田郁代先生の下で、失語症の基本的考え方を身につけた。

 私が彼女を友人として誇りに思うのは、どんな時でもあふれ出る愛情に満ちた指導を貫く姿勢にある。手を焼かせる学生ほど、のめり込むように丁寧に関り、決して見捨てない。現場のSTへの指導も温かい。輝生会にいるころから勉強会などによく来てもらったが、はるか名古屋に来た今も、時々足を運んでもらいながら失語症研究に関わってもらっている。鵜飼リハの中堅STは、経験豊かで実力があるが、研究について指導を受けてきていない。春原さんの指導は、対応は優しいが最後まで(発表の直前まで)絶対に手を抜かず、「完璧」を目指す。そのわくわくするような緊張感の中で、STたちが水を得た魚のようにすくすく育っていくのをみるのが楽しい。

 数年前より、春原さんと組んで失語症の講習会を開催している。この講習会のコンセプトは明確だ。昔の私のように、今の鵜飼リハのSTたちのように、臨床経験を持ちたくさんの失語症リハに関わってきているのに、失語症がわからないと感じている現場のSTたちに、彼らが失語症を「わかる」機会としてもらうこと。失語症はほんとうに難しく、そう簡単にはわからない。臨床はできるようになっても、失語症がわからないもどかしさ、苦しさ。これは経験した者にしかわからない。子育てに追われていた30代、このまま失語症がわからないSTで終わるのか、というおびえの中にいた私。国際医療福祉大学の教員となり、恩師藤田郁代先生の講義を1年聞いたとき、霧が晴れるような、「これが失語症か」という境地にたどり着いた。未開の地に到達した感もあったが、よく知っていることを再整理したに過ぎないようにも感じた。

 現場には、私と同じようなSTがたくさんいる。失語症者の支援者としてのプライドを持ちながら、失語症がわからないコンプレックスを持つ。彼ら彼女らに対し、「ここをわかっていればいいんだよ」という内容を提示したい。まずは、徹底的に音声データを聞き取る。そして書き取る。基本的な分析の視点を学び、それをもとに失語症のとらえ方を体感する。まる1日(合計で2日間)、徹底的に失語のことだけ考える。基本的な視点さえ身につけてしまえば、あとはこっちのもの。自然と流暢性を分類し、タイプ分類してしまう。言葉に生じる、ほんとうに不思議で興味の尽きない症状に触れ、それを解き明かすことのできる専門職であることの誇りを取り戻そう。そして、真の失語症者の支援者となろう。

 今日の日記は、失語症講習会の宣伝になった…。次回、来年2月の講習会は初めて私と春原さんだけで開催するので、不安でいっぱいだ。東京近郊の教え子たちの協力で、何とか例年以上に充実内容を提供できる研修会となるよう努力したい。多くの方に参加していただけることを、願っています。

(写真は、昨年沖縄県士会で「失語症研修会」を開催していただいたときのもの。すごく楽しかった!! 沖縄県言語聴覚士会の皆様、改めてありがとうございました。)

 

 

 

 

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