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CBA日記

千葉県回復期リハビリテーション連携の会ST部門勉強会に行ってきました

 

 千葉県回復期リハビリテーション連携の会ST部門勉強会に招いていただいた。船橋市立リハビリテーション病院のSTチーフの高野麻美さんは、日本言語聴覚士協会理事で医療保険部長であるが、今年は連携の会のST部門の代表でもあり、地域回復期STの勉強会を企画してくださった。約30名の千葉県の回復期STが一堂に会した機会に、効率的で効果的な勉強会としなければ、と気を引き締めて出かけたが、結論から言うと初めて行った年次別ディスカッションが大変盛り上がり、議論の結果は私にとっても大きな学びとさせていただいた。全員参加の有意義な勉強会になったと感じている。

 講義は、5月に日本言語聴覚士協会が開催した「回復期ST実務者講習会」の際に、「患者の全体像をとらえる」というタイトルで私が話をさせていただいた講義を軸に行った。回復期リハ病棟のSTは、チームの中のパーツになってしまいやすい。専門性が明確で、パーツであっても重要な役割である。しかし、患者さんの全体像やチーの流れを理解していれば、より適切に情報発信していくことができる。専門性を持ちながら全体をとらえ、多職種連携できる力をつけよう、というのが講義の目標だ。

 まずは冒頭で、回復期リハ病棟協会のPOS委員会で作成した「セラピスト10か条」と、今年度作成中の各職種の5か条を紹介した。「回復期ST5か条」は、STの専門領域である「食べる」「話す・聞く」を軸にしながら、機能、能力、参加・QOLをとらえていくことを提案している。そのあと、患者の全体像を描くために必要な、疾病、画像、現病歴、リスク、運動障害、認知障害、ADL、生活情報、予後予測と退院先、長期的見通し…について、知識の整理を行った。続いて、患者情報を整理するための表を用い、患者の全体像を作り上げる演習を行った。STは、本来患者の全体像を作ることが得意な職種ではないが、講義に臨む参加者の様子をみながら、回復期のSTがこの目標に対して違和感がなくなり、自分の仕事としてとらえ始めている様子が、強くうかがえた。

 直後に行ったグループディスカッションは、STになって1年目、2年目、3~6年目、7~8年目、9年目以上、という年次別の班を作成して行った。講義・演習の各班の感想として、発表していただいた意見は以下のとおり。1年目「目の前のことでいっぱいで、予後予測は難しい。ただ、多職種の情報が大切だということはわかった。」2年目「情報の意味を理解し取り入れられているが、予後予測は難しく退院時の様子が描けない。抜けている穴がある。」3~6年目「退院時は何とか想定できている。しかし退院後の長期的イメージが難しい。」7~8年目「表を用いて、患者像をとらえる演習は、全体像をつかむのに有効だった。」9年目以上「若手の指導に使えそう。」

 さらにディスカッションのテーマを、「回復期で自分たちがスキルアップしていく上で何が必要か」とした。1年目「評価・プログラム立案の指標。先輩の同席」、2年目「全体をみる視点。STから情報発信していくこと。多職種と情報共有すること」。3~6年目「新人教育の視点。多職種連携の指導について個人任せになっていて、指導でいていない。PT・OTの力を借りられるといいのではないか」7~8年目「1年目への指導と自立の判断の難しさを感じる。指導時間確保が難しい。1人立ちを早めることには問題が多い」。そして9年目以上は「…」議論は、自分たちが必要とする情報交換へと移り、「結論はなく、すみません」とのことだったが、千葉の回復期リーダーたちが膝を突き合わせて行った意見交換は、大変貴重だったのではないか、と感じられた。

 今回の講習会では、改めて年次別教育の重要性を感じた。看護師のラダー教育に原点はあるが、セラピストはそれぞれの専門性が高く、専門性とチームアプローチの観点からそれぞれの年次で明確な目標を設定し、それを獲得できるような研修プログラムを立てていくことが、この先強く求められている。

 年次教育のおもしろさは、専門職にとって「同期」という不思議な関係を、育成に上手に利用していくことの可能性も含んでいる。競い合い、支え合い、ともに伸びていくことができる仕組みを、施設で、地域で、作りたいものだ。

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