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​担当者:森田 秋子・菱川 法和

連絡先:E-mail cbaninchikanren@gmail.com

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CBA日記

「回復期リハビリテーションにおける言語聴覚療法」講習会(各論編)開催される!

日本言語聴覚士協会(以下ST協会)主催の「回復期ST講習会」は平成23年以来毎年開催してきたが、今年度は歴史的な年となった。

 初めて、ST協会の医療保険部員と回復期リハ病棟協会PTOTST委員会ST委員合同での開催となった。回復期リハ病棟協会の後援をいただいたことも、重要であった。これまで、参加者確保が難しく苦労してきたが、今年度は応募開始から3週間、締め切り前の満員御礼となり、当日は80名を超える参加者の熱気があふれていた。

 回復期の現場は施設による差が大きく、特にSTは施設によって果たす役割も異なっている。何を目指していいのかわからず道に迷っている若いSTが、現場にはたくさんいる。こうした現状の中、回復期ST領域に責任を持つ2つの協会の委員の合意と了解の中、本講習会が開催できたことは、本当に大きな意味があったと感じる。

 今回のプログラムは、まず回復期リハ協会園田会長から、回復期リハ病棟の現状と会長自らのSTへの要望を語っていただいた。要望については細かい内容ではなく、向かうべき方向性やマインドに近いものと理解した。詳細な中身については「専門職であるあなたたちにまかせている」と言っていただいたと受け止め、深く感謝した。

 続いては、回復期リハ病棟協会POS委員の沖田啓子氏による、「セラピスト10か条とST5か条」の講義。今年度作成したST5か条は、本講習会のベースとなっている。ST5か条があったからこそ、この講習会ができた、ともいえる。回復期STの姿が像を結び始め、それによって本講習会の内容も決まった。ST5か条の合意は、今後の回復期STの発展に欠くことのできないものであった。

 そして各論。STの専門各論を「高次脳機能障害」「嚥下障害」「失語症」「運動障害性構音障害」と定め、90分ずつ並列に講義を組み立てた。「高次脳機能障害」「失語症」を担当した私と、「嚥下障害」「運動障害性構音障害」を担当したPOS委員の椎名英貴氏は、詳細に事前打ち合わせしたわけではなかったが、ここまで活動を共にしてきたためか、非常に近い組立ての講義となった。4つの専門領域に対して、講義前半は「回復期リハ病棟」という枠組みの中で、STがどのようにとらえなければならないかについて、それぞれのビッグデータから要点をまとめ、示した。長期的予後や予後に基づく分類、障害の重複、ADLや退院先、生活支援を含む内容となった。STが回復期リハの中で単なるパーツにならず、全体を見渡して何をすべきか判断し役に立っていくために、この内容を提示することは必須であった、と感じている。

 後半は、機能障害に対する専門治療に関する内容。ここについては、椎名さんと私の個人の考え方が多く含まれており、ST全体の合意ができていると今はいえない。しかし、これまでいろいろな場所で提示させていただいた内容をもとに組み立てており、今回提示させていただいたことで議論を開始し、「回復期リハ病棟で心得ておくべきSTの専門性とは何か」を作り上げていきたい、と考えている。椎名さんも私もたたき上げの臨床家であり、教科書的な内容には程遠い、現場で出会う事例への実践的な内容がほとんどを占めている。この方向性に関しても、意見交換をしていきたい。

 最後のグループディスカッションは、ST協会医療保険部長の高野麻美氏が中心となり、組み立てた。入院時の関連データから退院時のイメージを求める実践的な内容であり、若いSTには難しさもあったが、どこにでもいる事例を用いたために臨場感があり、それぞれに学ぶ点が多く、アンケート結果は良好であった。どこまでの理解が必要とされるかは、施設により異なっている可能性があり、演習の進め方について詳細な配慮を持って進められるよう、来年に備えていくことになった。

 本講習会を開催したことにより、「回復期STがどうあるべきか」の議論を開始することができたことを感じる。大変重要な開催となったことを改めて感じ、関係者として大きな喜びを感じる。

 さて、いよいよ機能評価を迎える。最終2週間の修羅場は思い出したくないが、たくさんの考える示唆を得ることができたことは、重要であった。特に「CBA普及活動」が答えを出さなければならない局面に来ていることを、多方面から指摘を受けた。

 幸いなことに(?)、本体評価終了後3か月後にリハビリテーション付加機能評価が待っている。支えてくれる主任、副主任、スタッフに心から感謝するとともに、悔いが残らないように、気を引き締めて取り組んでいこう。

(冒頭写真は、園田会長講義の様子、下が、グループディスカッションの様子)

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