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CBA日記への投稿をお待ちしています...。

​担当者:森田 秋子・菱川 法和

連絡先:E-mail cbaninchikanren@gmail.com

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CBA日記

楽しい名古屋の夜、芦田さん来る!


 CBAフローチャートで本サイトを賑わせているSTの芦田さんが、出張途中に名古屋にやってきた。彼女らしく、行きの新幹線中から「突然ですが、名古屋に向かっています」という連絡。たまたま都合もよく「ぜひ夕食をご一緒しましょう」ということになった。

 当法人では、今年度系列の大門(おおもん)訪問看護ステーションで本格的にCBA導入が決まり、その立役者であるOTの清水裕勝主任がサイトを見て、「あの芦田さんのフローチャート、すごいっすね」と話題にしたばかりだった。さらに、当院の今年度の方針に「看護師のCBA理解向上」が上がっていて、この日当院猪川副看護部長とフローチャートの話になり、「ちょっと!うちの看護師、介護士にもそれいいんじゃない?検討して!」と持ち掛けられていたところであった。というわけで、夕方到着した芦田さんと、訪問の清水さん、当院伊藤梓ST副主任と私の4人で、CBAフローチャート談義になった。

 改めてフローチャートをじっくりながめてみると、より知識がない人にもつけやすくするためにできていることがわかる。例えば、まず4点以上と3点以下に分け、そのあとで4点か5点かを分ける、といった具合。流れで指示してもらえるので、受け身の姿勢でもつけられる。大勢の看護師・介護士に関わっている芦田さんにとっては、彼らのニーズを聞き、それに応える中で至った形であることを知る。

 同時に気が付いたことは、観察の視点や質問が芦田さんの通所で用いやすい内容になっていること。当院の入院や訪問リハで用いるのであれば、違うことを聞いたほうがいいな、と思う箇所も見つかる。芦田さんのフローチャートは、芦田さんの施設でスタッフがCBAをつけるための簡易手引書であるということができ、実際看護師・介護士の反応はとてもよく、成功している様子がうかがえる。CBA作成者としては、これまでフローチャートを作る気はなかったが、当院の看護師や訪問にCBAを普及していくためには、当院独自のフローチャートが必要だ、と思わされた…。芦田パワーはすごい...。

 芦田さんはしばらく見ない間に、すっかり型破りなSTに育っていて、今の職場はもともと「STはできることが少ないから採用しない」という方針だったそうだが、たまたま採用された負けず嫌いの彼女が求められたことは何でもやり、看護師や介護士が高次脳機能障害をふくめて利用者の方に接するための援助や、全人的にとらえてアプローチするためのツールとしてCBAの普及を進める様子をみて、「STってこんなに役に立つ職種なのか」とST採用の方針に切り替えたという。今では法人内の事業所を年間50か所も回って、臨床に指導に走り回っているそうだ。ST協会から感謝状を贈ってもいいような活躍だ。

 さらに、この夜一番心に残ったことば。芦田さんは初台リハ入社が私と同期で、私のST観やリハ観を思いっきり伝えたわけだが、「森田さんから、この先STとして生きていくメシの種をもらったと思っている」という。私と関わったことによって得た視点や多職種と関わるスキルを使って、社会で評価された、それを活用して仕事を発展させている…。この言葉には、感動して言葉に詰まってしまった。

 STの特徴は専門性と包括性であるが、包括的視点を思いっきり生かし、高次脳機能障害を軸に全人的にとらえて関わることができる力は、今時代が最も要求している力なのだ。芦田さんの成果は芦田さん自身の力に寄るところが大きいのだが、自分の力を開花して花開くSTを一人でも多く育てることは、私に残された大いなる仕事なのだろう。

 ところで、この日食事に参加してくれた大門訪問看護ステーションの清水主任は、育ち盛りの若手リーダーである。実は、名古屋の在宅リハを作っていくキーとなる逸材と踏んでいて、彼の今後の成長を見届けたいために、あと数年名古屋にいる決意をしたといっても過言ではない。豊かな人間性と自由な発想で訪問リハの猛者連を達者に率いている彼に、言いたいこと。あなたが、今成したことで満足しているなら、もう私にはすることがないので東京に帰る。しかしあなたが21世紀後半を見据えて、名古屋の地域包括ケアの活性化を視野に、この先いくつもの仕事に身を投じていく決意があるなら、そのためにここからぐっとでかい人間になって一層の精進をしていく覚悟があるなら、私は当面できる限りのサポートをしよう。

 年度変わりの季節、法人を去る者あり、新たに来る者あり。去った人々からの近況報告をもらって、思うことの多い時効である。関わった時間に伝えられたもの、そのあとで思い返してもらうこと、何ができたのか、もっとできたことがあるのか、感傷にひたりながら、今は目の前にいる大勢の若者のために、今日何ができるのかを考えよう。

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